法テラス利用に5つの疑問解消!知るべきメリット&デメリット

 

法律に関する相談場所として無料で相談できる場所が『法テラス(日本司法支援センター)』です。

経済的に余裕がない方や法律に明るくない方のために設立された法テラスは刑事・民事を問わず、日本全国でそのサービスを受けることが可能です。

法テラスとは? 気になる項目をQ&Aで知っていく

『法テラス(日本司法支援センター)』は国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。

法務省所管の公的な法人であり、純然たる非営利団体です。

「国」「法務省」のバックアップのもと、法に関するさまざまなトラブル解決を助けます。

身近だけど、良くわからない存在である法テラスに関する以下の疑問を、まずはQ&A形式でお答えさせて頂きます。

  1. 法テラスは、本当に無料なの?
  2. どんな相談でも受け付けてくれるの?
  3. 法テラスから弁護士に依頼・契約するには?
  4. 法テラスから弁護士に依頼する費用は?

Q1.法テラスは無料で相談できるの?

A.電話・メール・面談すべて無料で利用することが出来ます。

法テラスは国が設立した公的な組織であり、電話・メール・面談など、問い合わせ方法に限らず、すべて無料で利用が可能です。
(固定電話から全国一律3分8.5円)

また法テラスは全国都道府県の県庁所在地に置かれた地方事務所か、支部・出張所においても、無料で面談による相談が可能です。

ただし、無料なのは”相談”のみで、弁護士と契約した場合の業務に関しては、法テラスのサービス外となるため、有料となります。(詳しくは後述します。)

面談に関しては収入
・時間・回数が決まっています!

無料の法律相談を受けたい場合は以下の(1)の(3)条件を満たしている必要があります。

 

  1. 収入等が一定額以下であること
  2. 勝訴の見込みがないとは言えないこと
  3. 民事法律扶助の趣旨に適すること

 

また、1回の相談時間は30分程度。1つの問題につき3回までと決まっています。

「面談では難しいかも……」という方は、とりあえず電話かメールで法テラスに問い合わせてください。

Q2.どんな相談でも受け付けてくれるの?

A.刑事・民事に限らず、どんな相談でも受付し、相談に対する解決方法・適切な相談先をご提案します。

法テラスは「借金」「離婚」「相続」「犯罪被害」「刑事事件」など、さまざまなアナタの悩みに対して、問題解決のための道案内を行います。

「こんなこと相談して大丈夫かしら……?」というようなトラブルの相談も、まずはお問い合わせください。

法テラスが、アナタの悩みにあった解決方法・相談先を提案するので、とにかくまずは相談することからはじめましょう。

【具体例】法テラスの流れ

 

  • [相談者]債務整理がしたい ➞ [法テラス]債務整理に関する4つの方法と弁護士や司法書士等の専門家への相談を提案
  • [相談者]夫に浮気された ➞ [法テラス]離婚調停の提案や配偶者に対する慰謝料請求の提案、弁護士の紹介
  • [相談者]交通事故後に後遺症が出た ➞ [法テラス]法的な解決法の提案と弁護士の紹介

 

※上記相談内容も、すべて無料です

Q3.法テラスから弁護士に依頼・契約するには?

A.法テラスに相談し、弁護士を紹介してもらえます。また法テラス利用可能弁護士に直接契約することも出来ます。

法テラスを利用した弁護士の依頼・契約方法には2つの方法があります。

①法テラスから弁護士を紹介されます。紹介された弁護士と相談のもとアナタが望むのであれば弁護士に依頼・契約が可能です。

②法テラスと提携している弁護士に直接、依頼・契約

法テラスは弁護士を直接紹介してくれますが、アナタが自分で法テラスと提携している弁護士を探して選び、依頼・契約する方法もあります。

どちらにしても法テラスを利用することで金額が安くなる(立替えが可能)ので、ご安心ください。

Q4.法テラスから弁護士に依頼する費用は?

A.原則として、月額5千円~1万円程度の分割で支払いとなります。

法テラスは、弁護士に依頼し、交渉・調停・裁判となった場合、それに関わるさまざまな費用を、一時的に立て替えを行い、かかった費用を後日、返済してもらうという制度になっています。

実費・着手金に関する費用を、原則として月額5千円~1万円程度で返済まで分割払いで支払いします。

なお相談内容ごとに実費・着手金は違います。また、案件によっては別途報酬金などの支払いを求められる場合もあります。

実費 着手金 報酬金 その他
法律相談援助 無料 無料 不要 なし
金銭事件(訴訟原告) 25000円~ 64800円~ 別途、報酬金 3000万円までは、入金額の10%(税別)
不動産事件(訴訟原告) 金銭事件に準ずる 金銭事件に準ずる 別途、報酬金 なし
離婚事件 20000円 108000円~ 別途、報酬金 なし
強制執行事件 20000円 64800円~ 別途、報酬金 なし
成年後見人等申立事件 20000円 108000円~ 不要 なし
労働審判事件 20000円 108000円~ 別途、報酬金 3000万円までは、入金額の10%(税別)
保護命令事件 20000円 129000円 別途、報酬金 なし
示談交渉事件 20000円 86400円 不要 なし
任意整理事件 20000円 32400円~ 過払金がある場合、別途、報酬金が必要 なし
自己破産事件 23000円 129000円~ 過払金がある場合、別途、報酬金が必要 なし
民事再生事件 35000円 162000円~ 過払金がある場合、別途、報酬金が必要 なし

ただし、立て替えに関しては以下のような条件があるので、ご注意を。

立て替えの条件に関すること

 

  • 法テラスが定める基準額以下であること
  • 限度額の範囲内であること(超えた場合は原則として自己負担)
  • 自己破産事件の予納金は立替えの対象外
  • 民事再生事件の予納金

 

法テラスのメリット・デメリットを比較 アナタにあったサービスを!

▼メリット

  • 金額が安い、分割払いが可能
  • 幅広い解決法を無料で提案
  • 弁護士・司法書士を紹介してもらえる

 

▼デメリット

  • 弁護士の質が低い
  • 飛び込みでは弁護士・司法書士を選べない
  • 一定の条件の人は利用することが出来ない
  • 法テラスの審査に2週間ほど時間がかかる

 

法テラスは国が設立し、法務省が運営している公的機関です。

そのため金額面や制度を利用した「訴訟以外の解決法」も教えてくれますし、法テラスから直接弁護士・司法書士も紹介されます。

ただし、法テラスに所属する弁護士は、若手のスタッフが多く質は決して高くない……など、実は知られざるデメリットがあるのも、また事実。

ということで、この章では法テラスを利用するメリット・デメリットについて焦点を当てて参りましょう。

[メリット]誰でも使える、使いやすいのが法テラス!

法テラスは先のQ&Aでも、ご紹介したように相談は無料です。

また弁護士費用等の立て替えが可能であり、金額面では非常に安い

一般のルートで弁護士に依頼するよりも、遥かに安い額で裁判が可能など、金額面で見ると、法テラスを利用しない手はありません。

また相談内容によっては弁護士を通さずに済む方法や申し立てをする機関などを紹介してくれることもあり、相談だけでもかなり実用的です!

もちろん、弁護士・司法書士も法テラスから紹介してもらえるので法律に詳しくない方や金銭的な問題を抱えている方にとっては、法テラスはかなり助かる存在であると言えます。

[デメリット]質・スピードの面で問題アリ? 条件によっては利用が難しい場合も……?

まず知っておいて欲しいのは、法テラスと契約している3年間の期限付きで、固定給(かなり安い)で法テラスに雇われています。

金額が安い……ということは、弁護士の世界では腕がまだ未熟な証拠。

残念ながら、経験が浅い弁護士がほとんどのため高度な弁護は難しいと言わざるを得ません(ただし、法テラスと提携している弁護士の中には、ハイレベルな方もいらっしゃいますので、法テラスを経由してそういう方に依頼をする方法もあります)

そして、法テラスに直接依頼する場合は、紹介したもらえる弁護士・司法書士を選べないというデメリットも!

また、すべての人が法テラスに金額を立て替えてもらえるワケではありません。

さらに法テラスを通じて弁護士・司法書士に依頼する場合は、必要書類を取り揃え、その後「審査」をしてもらい、最終的に契約――という流れになるのですが、この審査に2週間も時間がかかります。

そう、スピィーディーな対応が法テラスはシステム上難しい。すぐさま弁護士に仕事を依頼したい場合は、法テラスは不向きなのです!

法テラスのことを正しく知って、アナタにあった方法を!

法テラスへの相談は無料ですし、万が一、弁護士に依頼すると決まった場合も費用はけっして高くはありません。

費用に関しても法テラスからの立て替えが可能であり、さらに金額は分割払い……と利用に関しては、一定の安心感があります。

ただ、法テラスはスピードには欠けますし、弁護士の”質”という面では不安が残るのもまた事実。

ある程度の収入の方は、むしろ法テラスを通さず、普通の弁護士に依頼した方が、トータルで見ると納得のコストになるかも知れません。

法テラス自体の利用は無料ですし、電話でもメールでも問い合わせが可能ですから、とりあえず法テラスに相談だけしてみるというのも1つの手としてはオススメです。

あくまで法テラスは「選択肢の1つ」と考え、本当にアナタにあった弁護士を先に探してみてはいかがでしょうか?

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